マリコスト・ルーム倉田まり子




「避暑地の出来事」歌詞の違いについての考察






  画像左:シングルレコードのジャケット裏歌詞    画像右:エキサイティング・ミニのライナー歌詞




曲の冒頭の「青い渚で ペリエ飲みながら」は、その後発売されたLP、カセット、CDでは全て「青い渚で ライム飲みながら」に変更された(ライナ
ーの歌詞は「ペリエ」のままのものもある)ヴァージョンが収録されています。また、シングル盤にもそれぞれの歌詞が書かれたジャケットが存在す
ることから、プレス時期によっては別内容の盤も存在した可能性もあるようです。





おそらくは「ペリエ」が固有の商品名であることから、NHK等の放送に配慮しての変更であると思われますが、ファンの方から以下の証言を聞くこと
が出来ました。(2005年12月2日)






避暑地の出来事「ペリエとライム」について


私はある時、まり子さんのレコーディングの現場に偶然居合わせたことがあります(ただし、私はレコーディングのスタッフではありません)。





あとで思いあたったのですが、ロビーのソファーに座っていると、隣で電話をかけている方がいました。その男性は自分の事務所に電話で、「ペリ
エとは商品名なのか、原産地の一般的な呼び名なのか?」ということを調べさせていました。つまり例えば‘ウォークマン’(特定の商品名)なの
か、‘ヘッドフォンステレオ’(一般的な呼び名)かと言う事ですね。





これには、まり子さんが活躍していた1980年代のNHKでは、まだ特定の商品名を出すことが難しい時代であったことが背景にあります。商品名=
広告宣伝に繋がるという理由です。歌の現場でも‘真っ赤なポルシェ’が‘真っ赤なクルマ’に、‘クレヨン’が‘クレパス’に、‘伊代が‘ワタシ’に変
えさせられました。現在はだいぶ緩くなりましたが、当時の公共放送ではそのような事はタブーでした。





当時のNHKでは商品名を使うと自主規制に引っかかり、放送出来ない恐れがあったので、その対策の為ペリエ版とライム版をあらかじめ製作して
おいたようです。歌番組で歌うだけなら、その時だけ歌詞を替えれば済むことですが、ラジオでの放送も視野に入れていたのでしょう。やはりNHK
ではペリエ版が放送出来なかった為、途中でライム版の発売に切り替えたものと思われます。その為、歌詞の違うバージョンのシングルレコード
が市場に存在することになったのです。


(原文作成:ちゅうばんさん)










マリコスト・ルーム倉田まり子