マリコスト・ルーム倉田まり子




Gメン’82





「アイドル歌手トリック殺人」





1982年10月24日 21:00〜21:54 54分


TBSテレビ 





脚本 小松範任


監督 小松範任


音楽 ピエール・ポルト、義野裕明


製作 近藤照男プロダクション、TBS


製作協力 東映





出演


水野久美、倉田まり子、内田勝正、宗方奈美、小笠原弘、小宮健吾、辻三太郎、山田光一、狭間鉄、矢野良子、五野
上力、田村寛、宍戸久一郎、テリー・カロン、立川良一、浦上嘉久


ナレーター:芥川隆行


丹波哲郎、若林豪、篠田三郎、清水健太郎、三浦浩一、范文雀


(敬称略・クレジット順)














物語


麻薬組織の一員で、手配中のロペスが来日した。Gメンの早坂(篠田)らは彼を尾行するが、反撃を受け早坂は負傷し
てしまう。





「不思議な春」がヒット中のアイドル歌手、中里ユキ(倉田まり子)の父親はGメンの沢田(清水)が沖縄県警時代の上司
で、彼と捜査中に殉職した。ユキは車を運転して帰る途中、路上に倒れていた男を轢いてしまう。アメリカでの公演も決
まり、亡き父親は警察官、おまけに今年の交通安全のキャンペーンガールも務めるという事もあって、ユキの母・治子
(水野)はこの事故を隠蔽しようとする。





Gメンたちの捜査線上に中里親子の車も浮かぶが、治子は車は既に廃車にしてしまったとシラを切ろうとする。しかし
治子の意に反し、ユキはこのまま逃げることは許されないと思い自首をする。Gメンたちはロペスが轢かれた状況に疑
問を持ち、中里親子に現場に立ち会ってもらい検証をこころみる。





治子は事故当時、自分たちの車にぶつかりそうになり、猛スピードで走り去った車のことを思い出す。はたしてその車
は麻薬組織のものであり、ロペスは轢かれる前に組織によって殺されて、路上に放置されていたことが分かる。





ロペス殺害犯はGメンたちによって逮捕され、無実が証明されたユキはアメリカにひとり旅立っていった。





レビュー


このドラマでは、麻薬組織の摘発という主題よりも、まり子さん扮するアイドル歌手・中里ユキがどうなってしまうのかと
いうのがメインと言えます。今までのゲスト出演では最も登場シーンも多く、「カナリヤ」のB面「不思議な春」を唄ったり、
番組のエンディング「抱擁」も聞けたりと貴重なシーンがあり、ファン必見の作品となっています。





このドラマで描かれているまり子さんの役柄が、本人の実生活をモデルにしている点も要チェックです。地方から不安
を抱えながら母親と上京して、寝食を惜しんで歌のレッスンを積み、栄光のデビュー・・・と再現ドラマなんかもあって、さ
ながら「倉田まり子・プロモーションフィルム」みたいな印象です。





劇中まり子さんに轢き逃げの容疑がかかった時に、黒木警視正(丹波哲郎)の「どんな人間にも魔がさすという事があ
る。俺達もいつ、どんな恐ろしい犯罪に足を掬われるとも限らん!中里ユキとて例外ではあるまい!」という台詞があり
ますが、この放送の2年後のまり子さんの事を思うと戦慄を禁じえません。「ノストラダムスの大予言(昭和49年・東
宝)」や「大霊界シリーズ」等、その手の映画で雰囲気のある演技をしていた丹波哲郎氏が言うと、妙に説得力があった
りするもんです(汗)。





まり子さんの母親役の水野久美さんは、1960年代の東宝特撮映画のヒロインとして有名な方で、最近もゴジラ映画に
出演されました。私には水野さんとまり子さんが本物の親子に見えるような気がしました。






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