マリコスト・ルーム倉田まり子
傑作推理劇場 「砂の密室」 1981年8月19日(水)22:30〜23:24 54分 テレビ朝日 原作 宮原 昭夫 「若葉照る」より
脚本 吉田 剛
監督 瀬川昌治
助監督 山田 良美 撮影 満井 坦彦 美術 横山 豊
録音 鈴木 正男 照明 石渡 健蔵 編集 池田 禅
装置 藤田 雄幸 装飾 菊武 敏行 美粧 相馬 優子
記録 桜木 光子 衣装 松竹衣装 調音 松竹映像録音スタジオ
現像 東洋現像所
進行 水島 誉志次 制作主任 早川 喜康
音楽 東京ビー・ジー・エム 記録 桜木光子 衣装 松竹衣装 スチール 大原健二 調音 松竹映像録音スタジオ
企画 霧プロダクション
プロデューサー 高橋 正樹、白崎 英介(テレビ朝日)、藤川 忠勝
製作 テレビ朝日 松竹株式会社
出演 市原悦子、西村晃、岡本富士太、倉田まり子、荒井注、寄山弘、辻本厚子、望月太郎、津路清子、 名倉嘉子、喜田晋平、村上記代、水木涼子、城戸卓、光映子、谷よしの、後藤やつ子、秩父晴子、 今井健太郎、高杉卓、大杉侃二朗 (敬称略)
![]() ![]() ![]() 本編の前に推理作家のエラリー・クイーンによる解説が付きます エラリーが選んだ推理作品と言うことになっています 物語(ネタばれあります) 神奈川県藤沢市の「片瀬婦人俳句会」に出席していた森香緒里(市原悦子)は、句会の世話役で幹事の鈴木早苗の無断欠席を不審に思い、自宅の
裏にある鈴木家を訪ねる。そこで鈴木早苗の死体と、転がった花瓶を発見する。捜査係長(荒井注)は、早苗が昼寝をしていて タンスにぶつかり、花瓶が落ちてきた死亡事故として捜査を始める。刑事の加賀見勉(岡本富士太)に香緒里は鈴木家の 居間で犯人らしき人を見たと主張するが、家の周辺は吹き込んだ砂により足跡が無く密室となっていた。 香緒里と長女の春子(倉田まり子)が鈴木家の葬儀に行くと、近くで、よく鈴木家を訪ねていた地主の平山義平の葬儀が行われていた。 死因は心臓発作だった。平山は刑事の加賀見の親戚で、葬儀に来ていた捜査係長は土地の顔役である松木仁太郎(西村 晃)達と、 目撃者の香緒里を余所者は厄介のタネだと噂話していた。香緒里は、名誉毀損などで告訴すると息巻く。 夜、夫に単身赴任させてこのマイホームに一生住むつもりの香緒里は、だからこそ地元に対して突っ張るのだと春子
に話す。そこへ刑事の加賀見が謝りに訪ねて来る。香緒里の証言をもとに捜査をやるので、告訴は勘弁してほしいと 申し入れる。 鈴木家の捜査に香緒里が立ち会う。加賀見は全ての鍵は掛かっているし、唯一通れる部屋下にある掃き出し窓も外の敷居も 砂でいっぱいで、人が通れば足跡が残るはずだ、人が出入りしていない密室である以上、他殺ではないという。香緒里は、 きっちりした性格の鈴木さんが幹事にもかかわらず、昼寝をすることなど考えられない、訪問者がありそこで何かが あったに違いないと推理する。
引っ越してきて1年の鈴木さんは親しいのは香緒里と平山さんだけ、しかし平山さんは同じ日に死んでいた。さらに密室 の謎は、地窓から逃げた小柄な犯人が足跡を、すぐそこの海から取って来た砂をまいて消したと推理する。そしてあの日 すれ違ったお寺参りのお年寄りたちのことを思い出す。加賀見はそれは葬式の時、係長と噂話をしていたむつみ会の人達で 顔役の松木は平山の親友だという。その様子を顔役の松木が盗み聞きしていた。 松木は急いで寺に戻り、むつみ会のメンバーを集める。努と森夫人はお年寄りの聞き込みに回るが、ことごとく留守。
むつみ会のメンバーは供養の為に海に流す風車の掃除と草むしりをしていた。森夫人はやっと見つけた松木に話を聞 くと、平山は土地者のくせに町者の鈴木と付き合った、その為土地者は口を聞かなくなった、だから何も知らんと言わ れる。しかも松木は森夫人の体をいやらしく触り始めた。何とか逃げ出し努にその事を話すと、年寄りと同居している嫁 はたいてい皆やられると笑い飛ばされる。森夫人は加賀見が言った塵も積もれば山となるという言葉をヒントにして、多人数 が少しずつ砂を持って来るイメージを思い付く。その様子を顔役の松木が盗み見ていた。 次の日食事の支度をしていると、加賀見から至急会いたいので江ノ島の奥津宮 地慕ヶ淵(?)へ来てくれと電話が入る。森
香緒里が地慕ヶ淵へ到着すると、松木が私も呼ばれたと待っていた。松木は香緒里を洞窟の中に案内する。むつみ会の メンバーが洞窟の中で待ち伏せをしていた。それは松木の罠だったのだ。 香緒里は自分の推理を話し始める。鈴木さんを殺したのは平山だった。平山が鈴木さんの体を触ったのに驚き大声を
上げたため思わず花瓶で殴り殺してしまう。何とか後始末をした平山は、松木の所へ駆けつけるがあまりの興奮に心 臓発作を起こして倒れてしまう。松木はむつみ会のメンバーを集め何回かに分けて、砂を運ばせ足跡を消した。松木は 土地の恥、わしらの恥になると考え、鈴木さんを事故死に見せかけた。その上、よそ者の流れ者には恥を知られたくな いので、香緒里にも死んでもらうと洞窟の奥に連れて行く。 香緒里はとっさの機転で、春子が加賀見に渡すように頼んでいたカセットテープを利用して逃げようとする。駆けつけた 加賀見の前で洞窟が崩れ松木は生き埋めになった。春子が駆けつけたその前で、洞窟から運び出される松木。 資料提供・レポート作成:ちゅうばんさん 加筆修正:M・コネリー コメント
まり子さんの役柄は、主役の市原悦子さんの娘役で、法学部弁護士志望の女子大生です。1時間番組という短さにも関わらず、 出演シーンはやや多いらしいですが、事件に実際関わるシーンはありません。この台本では、配役が印刷時から決まっていたのは、主演の市原悦子、 犯人役の西村晃に刑事役の荒井注と岡本富士太のみです。荒井注の刑事役というと、このドラマと同じく松竹で制作された天知茂主演の明智小五郎 シリーズで浪越警部を演じていたことが思い返されます。 そういえば、この作品も「土曜ワイド劇場」「火曜サスペンス劇場」と同じ瀬川昌治監督が演出しているのですよね。 2時間ドラマはBSなどで再放送が盛んですが、1時間単発ドラマとなると再放送の機会は少なくなります。 「砂の密室」は、何年か前に有料CS放送での再放送があったようですが、無料のJ:COMなどで再放送してもらいたいものです。 ☆台本と完成作品の違いについて ![]() 台本には「(仮題)」とありますが、完成作品と同じです。 この台本が「決定稿」までのどの段階なのかわかりませんが、 完成作品と比べてみると基本的にストーリーの進行に大きな変更は無いようです。 完成作品は台詞やシーンの追加がいくつかみられますので、この台本は決定稿よりは前の段階ものだと推測されます。 変更点 ドラマ冒頭で、香緒里が俳句会の帰りに画面の向こう側に橋が架かってる道を歩いているときに 老人数人とすれ違うシーンは、台本では手書きで追加されている。 刑事の加賀見勉が、森春子にビートルズの「プリーズ・プリーズ・ミー」の輸入盤を持っているという台詞は、 台本では「EMIのシングル盤を持っている」となっている。 「EMI盤」というのでは分かりにくいからなのか書き換えたと思われるが、 ビートルズのマニアでない一般の人には、何故春子が興味を持ったのか分かりにくい。 香緒里が鈴木家の外で、老人たちが歩き去った後に「風車」を見つけるが台本にはそれは無く、松木と香緒里の会話で「卒塔婆を海に流す」というものになっていて、 完成作品の「願い事を書いた風車を地蔵に供える。その後海に流す」ことに比べ、卒塔婆というワードがあまり意味のないものになっている。 ラストの洞窟内の崩落から逃げられた香緒里の「おじいいちゃん死ぬ前に私を助けてくれたのね」と、老人たちを憐れむ台詞は台本には全く無く、 そこへやってきた娘の春子に俳句を言う部分のみである。
マリコスト・ルーム倉田まり子
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